神々の深き欲望
1968年 175分
監督:今村昌平
出演:三国連太郎、河原崎長一郎、北村和夫、松井康子、沖山秀子

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神話的な言い伝えを受け継ぐ架空の孤島・クラゲ島を舞台に、島の因襲、そして近代化と闘う島民の生活を描いた壮大な物語。 カンヌ国際映画祭のパルムドール賞を2度も受賞した巨匠・今村昌平監督初のカラー作品。構想6年、撮影に2年の歳月と巨費を費やしたことにより、今村昌平が役者を使った映画から一時離れることになった因縁の作品である。

南海にある孤島・クラゲ島。戦争から戻った太(ふとり)根吉(三國連太郎)は、疫病による妻の死をきっかけに、ハッパを使った密漁や島の女との姦通に明け暮れ、妹・ウマ(松井康子)との謂われなき関係が噂される。そんな折、大津波が起こり、太家の神田に赤い巨岩が打ち上げられる。疫病の流行、大津波、神田の巨岩。根吉の行いが神の怒りに触れたせいで、これらが起きたと信じる島民は一家を阻害する。それから20年、根吉が神の田んぼを元に戻すために穴を掘り続ける島に、東京から工事の調査に技師の刈谷(北村和夫)が訪れる。根吉の息子・亀太郎(河原崎長一郎 )が助手として調査を手伝うが、文明に取り残された島民たちから妨害を受けてしまう……。

ハッキリ言って、賛否両論分かれる映画。いや、つまらないという人、途中で挫折する人が圧倒的でしょう。しかし、見続けている内にジワジワとその良さが滲み出て来る。時代に取り残された閉鎖的文明社会が、都会からの圧力により旧来から脱却する過程がじんわりと描かれ、ラスト前の衝撃的シーンに結実する。3時間見終わってみると、実に感動できた。しかしそれでも、よくはわからない(笑)。それくらい、この映画は難解だ。太家の血縁関係も複雑で難しいし(笑)。根吉とウマは、父・山盛(嵐寛寿郎)と山盛の娘・ウシとの間に生まれた子。いわば近親相姦。そして、根吉とウマは身体の関係は無いものの、互いに魅かれ合う中で……。根吉の娘・トリコ(沖山秀子)が知恵遅れなのは、単なる偶然だったのだろうか? また、15歳のウマが根吉の戦友であり区長の竜立元(加藤嘉)の妾にどうしてなったのか? おそらく2~3回は見ないと理解できないだろう。

そんな複雑で奥の深い設定の映画だが、映像美は特筆モノ! 人間の手の施されていない大地や海といった自然、そして陸や海の生き物が、ものすごい美しさで迫ってくる。自然光なのか照明なのか、とにかく色が鮮やかというか濃いんですな。1968年制作とは思えない美しさ。もしかすると、ソフト化の際にデジタル加工を施したのだろうか? そんな風に勘繰ってしまうほど色合いが素晴らしい。

そんな一般作、中でも社会派映画で濡れ場を見せてくれるのは、根吉の妹・ウマ役、29歳の松井康子。官能的なセックスは期待できませんが、今村昌平監督の演出なのか迫力に圧倒されます。それは加藤嘉との絡みで、折檻で胸を荒々しく千切れんばかりに揉まれるシーンや、天井からの俯瞰によるベッドシーン。また、三國連太郎とのソフトな絡みでも見せてくれます。松井洋子の肉感的なボディにフェロモン満載の立ち居振る舞いは、さすがピンク映画のパイオニア的存在で「ピンク映画の女王」と呼ばれただけはありますな。それにしても、加藤嘉の濡れ場は貴重だ(笑)。

また、今村昌平に見出され、関西の女子大生という素人から、いきなりこの映画でデビューを果たした根吉の娘・トリコ役、23歳の沖山秀子もヌードを披露し、チラッとおっぱいを見せてくれている。今村昌平との愛人関係、自殺未遂、精神病院の入退院など破天荒な人生を送り、ジャズシンガーとしても活動し、先日(2011/3/21)亡くなったばかり。知恵遅れの役なので、野生児そのもの。言葉も未熟、裸を恥ずかしく思わない設定のため、島の男たちにイタズラされたり、自分で服をめくったり、裸で泳いだりと、そこかしこでチラッとおっぱいを見せてくれます。本当にチラですけど。むっちりとした肉感的な良いカラダ付きなので、チラではなく、しっかりと見たかったものですな(^^;。

この映画の豆知識は、初代国土交通大臣を務めた扇千景が、映画のラスト、北村和夫の奥さん役で出演。また、伝説の映画監督・長谷川和彦がスタッフ、そして役者としても参加していること。長谷川和彦の次回作は、果たしてあるのだろうか? 前作「太陽を盗んだ男」のような手に汗握るアグレッシブなエンタテインメント作品を期待したい。